※この物語はフィクションであり、味の感想につきましては多分に個人の意見が反映されています。
家は純日本家屋でした。
父親は第二次世界大戦の経験者です。
と、言えば私の年齢も察しがつきますよね。
米軍と戦った父親は何故か、西洋かぶれとささやかれるほどに洋式のものを取り入れ、憧れていたようです。
アメリカの指揮官、ダグラスマッカーサーの真似をして、コーンパイプをくわえて縁側の椅子に座り、ゆらゆらと煙をくゆらしていました。
午後の3時になると、台所からカリカリと音がしてきます。
父親が縁側の椅子に座ると、母がミルでコーヒーをひき、ドリップ式でコーヒーをたてます。
父が普段飲んでいたのはモカでした。
家中にいい香りが漂いますが、それは大人の飲みもので、チーズやコーラと同じように、子供に出されることはありませんでした。
たまに父親が神妙な顔つきでコーヒーをたてているときがあるのですが
この家の4人の子供たちは、父親のコーヒータイムを邪魔しないように大人しくしていました。
息を詰めるようにして、高い位置からお湯を注ぐ姿を見て、
子どもながらに、コーヒーは特別なものといったイメージだった時代でしたが、、、
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