※この物語はフィクションであり、味の感想につきましては多分に個人の意見が反映されています。
父のコーヒーへのこだわりは、時に、異様な感じさえしました。
理由はちゃんとあったのですが、また後ほどになります。
セレベスの銘品トラジャコーヒー
父はどこから仕入れた話しかまだ味わったことのないトラジャコーヒーに憧れていました。
むしろ、とらわれていたようでした。
トラジャコーヒーを飲みたいあまり、すでに観光会社に勤めていた兄にその思いを託します。
兄は仕事で行く先々のホテルで、トラジャコーヒーについてなにか知っているか質問して回りました。
私が知る限りでは東京の帝国ホテルや横浜のグランドホテルのラウンジで質問し、質問の内容に興味を持ったボーイが詳しい人に繋いでくれたそうです。
兄はいつも、もはや手に入らないと報告して、褒められることなく父にぷいっと横を向かれてしまっていました。
![]() トアルコ トラジャ 200g(豆)×1個
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もちろん、山梨の田舎の親父さんが知っている情報は東京では当たり前のように知っていました。
インドネシアのスラウェシでトラジャ族によって作られていたセレベスの銘品。
オランダ王室や欧州の貴族の間で飲まれていて、その味の深みはブルーマウンテンを遥かにしのぐと、まさに伝説になってしまったコーヒーです。
第二次大戦後栽培に関わっていたオランダが手を引き、完全に廃園してしまったまでの情報は当時も巷にあったのです。
結局父にとっては本当にまぼろしのコーヒーになってしまったのですが、、、
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